「最近、少し見えにくくなってきたな」
そう感じながらも、「年のせいかな」と思って、そのままにしていませんか。
私も同じでした。
65歳になるまで、白内障という言葉は知っていても、自分が白内障手術を受けることになるとは、あまり考えていなかったのです。
白内障は、ある日突然見えなくなる病気ではありません。
少しずつ、気づかないうちに進んでいくため、不安はあっても決断が遅れがちになります。
この記事では、65歳で実際に白内障手術を受けた私の体験をもとに、
白内障手術の流れや見え方の変化、手術後の生活について、できるだけ分かりやすくお伝えします。
同じ年代で迷っている方の、安心材料になればうれしいです。
白内障手術を考えるようになったきっかけ

白内障を意識するようになったのは、ある日突然というより、日々の生活の中で少しずつでした。
私は網膜剥離で右眼を手術をした経験があります。
その後、数年して右眼が緑内障になりました。
主治医の説明では、
「右眼は網膜剥離をした部分が炎症を起こし、眼圧を上げたケースではないか」という説明を受けました。
ある日を境に、眼圧が30以上の状態が続きました。
正常とされる眼圧の範囲は10~21mmHG(ミリメートル水銀柱)です。
眼圧が高い状態が続くと、目から脳へ情報を送る視神経が押しつぶされるような状態になります。
視神経は一度傷むと 元に戻りません。
そして、視野が少しずつ欠けていきます。
欠けた視野は戻りません。
点滴治療で一時的に眼圧は下がりますが、正常な値を保つことはできませんでした。
私の右眼もそうなりました。
これ以上、眼圧の高い状態でいると右眼は失明すると言われ、眼圧を下げるための緊急手術をしました。
現在、眼科には定期的に通い、眼圧・視力・視野検査などを継続的に行っています。
話を、白内障に戻します。
新聞や本の文字が読みづらくなり、明るい場所でも「なんとなくぼやける」と感じることが増えてきたのです。特に夕方になると、車の運転が以前よりも見えにくさを感じるようになりました。
はっきりとした変化を感じたのがある日の夜のことでした。
夕方帰宅した際、家の外灯が、丸い円の光として見えたのでした。びっくりしました。
以前なら気にならなかった場面で不安を感じるようになり、「これは目の問題かもしれない」と思うようになりました。
こうした経験を主治医に相談しました。
病院で説明を受けて分かった白内障のこと
眼科受診の際、夜に光が輪のように見えたことを主治医に伝えました。
治医から「白内障が進んでいますね」と説明を受けました。
これまでの定期的な検査で白内障になっているという説明は受けていました。
白内障とは、目の中にある水晶体という部分が少しずつ濁ってくる状態のことだそうです。
その濁りが原因で、物がぼやけて見えたり、光がまぶしく感じたりするようになります。
主治医からは、「年齢とともに多くの人がなる病気ですよ」「65歳なら珍しいことではありません」と、落ち着いた口調で説明がありました。
さらに、「急いで手術する必要はありません」「ただし、見えにくさで生活に不便を感じているなら、手術を考える時期です」とも言われました。
点眼薬では進行を遅らせることはできても、濁った水晶体を元に戻すことはできないため、はっきり見えるようにするには手術が必要だそうです。
運転中の不安や日常生活での見えにくさを思い返しながら、先生の「生活の質を上げるための手術です」という言葉が背中を押してくれました。この時点で、私は手術をする決断をしました。
白内障手術当日の流れと正直な気持ち
私は、網膜剥離、緑内障手術を経験しています。
眼の手術は局所麻酔のため、手術中は意識があります。
自分の眼が手術されている様子を見るようになるのです。
何度も手術を経験しましたが、手術中は「早く終わってください。」が正直な気持ちです。
白内障手術は日帰りでできます。しかし、私は病院が紹介してくれたホテルに一泊しました。
病院に宿泊する部屋はあるのですが、予約で一杯でした。
手術当日は予約した時間に病院へ行き、手術前の控室で目薬を何度かさして待ちます。
昼食後、手術着に着替え、待機します。
手術室ので車イスに乗りった状態で待ちます。目薬を看護師さんが点眼します。
眼の手術は何度経験しても、直前はやはり緊張しました。
実際の手術時間は思っていたよりも短く、体感では10分ほどだったと思います。
目は開いたままでしたが、痛みを感じることはほとんどありませんでした。
光が見えたり、水が流れるような感覚はありましたが、「怖くて耐えられない」というものではありません。
手術が終わったと聞いた時には、正直ほっとしました。「これで終わったんだ」「よく見えるようになる」という安心感の方が大きかったです。
手術後、見え方はどう変わった?
手術が終わった直後は、まだ目にガーゼが当てられており、眼帯をつけます。
ばい菌からの感染を防ぐためです。
翌日、眼帯を外したときの印象は、今でもよく覚えています。まず感じたのは、明るさの違いでした。
部屋の中が以前よりも明るく感じられ、「こんなに暗く見えていたんだ」と驚きました。
物の輪郭もはっきりしていて、全体的にクリアに見える感覚がありました。
白内障手術では濁った水晶体は取り除き、代わりに人工のレンズを入れます。水晶体を取ってしまうと、そのままではピントが合わなくなります。
人工の水晶体(眼内レンズ) を目の中に入れて固定します
このレンズは
- 透明
- 体の中で劣化しにくい
- 一生使うことを前提
で作られています。
数日たつと、文字の読みやすさもはっきりと変わってきました。新聞や本の文字を読むときに、目を細めたり、無意識に距離を調整したりすることが減っていきました。テレビの字幕も楽に読めるようになり、目の疲れも以前より軽くなったように感じます。
運転についても、標識や白線が見やすくなり、夕方のまぶしさがかなり軽減されました。「見える」という当たり前のことが、実はとてもありがたいことだったのだと、改めて実感しました。
白内障手術の人工レンズは大きく2種類
白内障手術で入れる人工レンズには、主に単焦点レンズ と 多焦点レンズ の2つがあります。
① 単焦点レンズ(いちばん一般的)
ピントが合う距離が1か所だけのレンズです。
遠くにピントを合わせる
または
近くにピントを合わせる
どちらかを選びます。
私は、約30cmにピントがあうようにしてもらいました。
近くにピントをあわせるメリットとして以下の点があげられます。
-
見え方が はっきり・くっきり
-
まぶしさやにじみが 少ない
-
多くの人に 違和感が出にくい
-
健康保険が使える(自己負担が少ない)
デメリットとしては、
ピントが合わない距離はメガネが必要となります。
② 多焦点レンズ(遠くも近くも見える)
遠くと近く、両方にピントが合うレンズです。
メリットとして
- メガネに頼らない生活がしやすい
-
遠く・近くの切り替えが楽
デメリットには以下のような点があり、注意が必要です。
見え方が
-
-
少し暗く感じる
-
にじむことがある
-
夜に
-
-
光が輪のように見える
-
まぶしさを感じる
-
-
慣れが必要
-
原則 保険適用外(費用が高い)
メガネをできるだけ使いたくない、夜の運転をあまりしない、多少の違和感は許容できる方に向いています。
白内障手術で使う人工レンズには、単焦点レンズと多焦点レンズがあります。
見え方の質を重視するなら単焦点、メガネを減らしたいなら多焦点という特徴があり、大切なのは生活スタイルに合ったレンズを選ぶことです。
私が単焦点レンズを選んだ一番の理由は、見え方の安定感を重視したかったからです。
運転をする機会があり、特に夕方や夜間の見え方には不安を残したくありませんでした。
白内障で見えにくさを感じていた経験があったからこそ、「くっきり見える」ことを最優先に考えました。
また、先生から「単焦点レンズは見え方が自然で、多くの人が違和感なく受け入れられます」と聞いたことも、決断の後押しになりました。まずは安心感を選ぼうと考えたのです。
手術後、遠くはとてもはっきり見えるようになり、運転中の不安も大きく減りました。
近くを見るときやPCを操作するときはメガネを外しています。老眼鏡は必要ありません。
裸眼視力は0.4です。
手術後の生活で気をつけたこと

手術が終わったからといって、すぐに普段通りの生活に戻れるわけではありませんでした。主治医からは、「ばい菌に感染することが一番危険です」と言われ、いくつか注意点を教えてもらいました。
まず大事だったのが目薬です。感染を防ぐため、決められた回数を忘れないように続けました。
最初は少し面倒に感じましたが、「ここをきちんとすれば安心」と思い、生活のリズムに組み込むようにしました。
入浴や洗顔についても注意が必要でした。
手術後1週間は、目に水が入らないよう気をつけ、シャワーでの洗髪や水を直接顔にあてる洗顔はできません。この時期が一番つらい時期かもしれません。
車やバイクの運転は3日間禁止です。運動や外出については、軽い散歩(10分程度)は手術翌日からOKです。
旅行は、近距離なら7日目からOK。長距離や海外旅行は14日目から可能です。
メガネの作成は約1か月後(3~4週間後)からがよいでしょう。視力が安定した頃に作成した方がよいからです。
白内障のまま、眼鏡をつくりかえても視力は回復しません。
私の場合、白内障で眼鏡をかけても、視力は0.4しかありませんでした。
白内障手術後の現在は裸眼視力は0.4,眼鏡をかけると1.5まで視力が回復しました。
65歳で白内障手術を受けて思ったこと

65歳で白内障手術を受けてみて、いちばん強く感じたのは、「もっと早く手術してもよかったかもしれない」という思いでした。
手術そのものよりも、見えにくさを我慢していた時間の方が、もったいなかったように感じます。
手術と聞くと、どうしても不安が先に立ちます。
特に目の手術は怖いイメージがあり、決断するには時間がかかります。
何度も眼の手術を経験していてもそれは変わりません。
手術後、視界が明るくなったことで、日常生活の小さな不便さが減り、気持ちまで前向きになったように感じます。
運転やスポーツが、以前よりも楽にできるようになりました。
これから白内障手術を考えている方には、「一人で悩まず、まずは眼科で相談してみてください」とお伝えしたいです。
65歳でも決して遅くはありません。
よく見える安心は、生活の安心につながると、今回の体験を通して実感しました。
※この記事は、わたし自身の体験をもとにまとめたものです。
症状や治療方法には個人差がありますので、気になる点がある場合は、必ず医師にご相談ください。


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